ニュースレター Vol.1 ~ゲムマ2025秋で出会ったあの作品 その1~

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当ブログの “ニュースレター” では主に、最近、遊んだボードゲームについてほんの少し深掘りを試みながら、そのゲームの体験内容を発信していきます。

ゲムマ2025秋、ボードゲーム仲間と朝早くから海浜幕張駅に集まって、早期入場で様々なゲームを買い込みました。現在、みんなで時間を作ってゲームを崩しております。ゲムマ作品、いつも色々な出会いがあって、本当にボードゲーム冥利に尽きます。

今回このVol.1では、ゲムマ2025秋の購入作品で遊べた作品の中から、「遊び慣れたゲームシステムだけど、一捻りされてて、お!っとなったもの」を5つ取り上げて、紹介させていただきます。この記事を読んで、もしこれらの作品に触れる機会があれば、皆さんも遊んで体験してみてください。

ビルディン富豪

準備を整えて勝負を仕掛ける、メリハリがある能力改善ゴーアウトゲーム

ゴーアウト系の作品。トランプの大富豪のように場にカードを出して、いち早く手札を無くすことを目指す。この”ビルディン富豪” は、ゴーアウトに能力改善要素が組み合わせられた作品

このゲームで最初にできることは、カード1枚のプレイだけ。だけど、毎手番カードプレイ後に “建築” ができる。これは手札のカード1枚を建物として手元に配置するというものだが、これによって能力改善がなされる。

初めは1枚のカードプレイしかできないが、建設を重ねていくと、2枚、3枚〜と複数枚のカードプレイが可能になる。それだけではない。”特定の数字がプレイできると場を流す能力” や、”いくつかの数字を任意の数字として扱える能力” なども手にできる。

毎手番の建設で能力が強くなっていくのは、遊んでいて気持ち良い。しかし、建設にはコストが設定されている。このゲームにおいて、それは手札の補充である。ゴーアウトで手札を減らしたいのに、能力改善のために手札を増やさなくてはいけない。ゲームフレーバーで借金と表現しているのは、言い得て妙で中々ニクイ。

建設しながら必要な能力を揃えたら、いよいよ手札を減らす方向にプレイングを変えていく。この切り替えのタイミングも悩ましい。準備が不十分だと、思っていた通りにカードが出しきれず、他プレイヤーに主導権が握られてしまいかねない。しかし、時間をかけ過ぎてしまえば、手札が出しきれずゲームに勝てない。必要十分な準備をして勝負時を見極めたい。

ゴーアウトと能力改善を掛け合わせたゲームを遊ぶのは、自分はこの作品が初めてでした。手札を失くすことを目指しているのに、最初は限られた枚数しかカードは出せない、能力改善の度に手札が増える、など間延びしちゃうのではないかと遊ぶ前は少し思っていました。しかし、遊んでみると全然そんなことはありませんでした。手元で構築を考えるのが楽しく、準備が整えば一気にカードを減らせる。むしろ緩急があって面白かったです。こんな形のゴーアウトもあるんだと知ることができました。

ニューレコードコンティニュー

場の流れを読み切ることが必要な遊びごたえがあるゴーアウトゲーム

こちらもゴーアウト系の作品。”ビルディン富豪” と比べてカードプレイの方向性はゴーアウトそのもの。しかし、カードの出し時をきちんと考えることや、場の流れを読み切ることが必要な遊びごたえがある作品。遊ぶためには別途、トランプが必要です。ゲームにはジョーカーを除いた52枚を用います。

手札を失くせばゲーム終了になるが、勝敗はゲームを通じて獲得した得点で決まる。フレーバーは、ゲーセンでニューレコード更新に挑戦し続けるというもの。このゲームでは、自分がプレイした場札が他プレイヤーに上書きされると、上書きされた場札がニューレコードとして得点になる

実際には、自分の場札が上書きされた際、上書きされた場札の1枚を手元のゲーム筐体タイルに置いていく。ゲーム筐体タイルは5つあるが、上書きされた場札のセット枚数に対応している。例えば10-10の2枚のセットが、J-Jで上書きされれば、2番の筐体に10のレコードが記録される。

各筐体のレコード更新は、すでに記録されているカードよりも、ハイカードが上書きされないとニューレコードにならない。手札の切り方を間違えると、レコードが刻まれず得点が増えていかない。ローカードで少しづつ場札を上書きして得点にしていきたいが、そこは各々のプレイヤーの思惑が働くので、都合よくはいかない。ローカードで始めたのにJとかで返ってくるとこれを上書きして良いのか、その後の得点チャンスとリードを取られないことを天秤にかけて、結構悩んでしまいます。

手番では任意でパスもできます。この時に「コンティニュー」という宣言ができて、任意の手札1枚をワイルドカードに変えられる。1レコードの得点は、4枚以上のセットの方が倍率が高い。そのため、4枚以上のセットでプレイして誰かに上書きされたい。「コンティニュー」を活用して、不要なカードはワイルドに変えて、4枚以上のセットを上手く作れれば得点チャンス。但し、ワイルドに変えたカードは減点要素でもあるので、使い所の見極めも必要です。

なお、セットのプレイには条件があり、既にプレイされている場札と同数か+1枚のセットしかプレイできません。この仕掛けが、自身の印象に強く残った部分です。このゲーム、場札が1枚で回っている時にいきなり4枚のセットをプレイすることができない。高い得点倍率のレコードを記録するためには、少しずつ場札のセット枚数を釣り上げていく必要がある。しかし、他プレイヤーも場札のセットを増やそうとしていなければ、4枚〜5枚のセットには到達できない。場の流れ、他プレイヤーの思惑を見極めないと、折角のセットも手札で腐ってしまうかもしれないのです。

トランプを用いているので、カード構成は慣れ親しんだものだし、カードの出し方もセットの縛りを除けば、とりわけ普通です。しかし、得点の仕組みが捻られてて、普通のゴーアウトとはまた違った方向性で手札の切り方を考えさせられる作品でした。

Don’t Take ME !!!

可愛い動物たち、に癒されることはないヒリヒリするトリテ

こちらのDon’t Take Me !!!は、トリックテイキングゲーム。なるべくマイナスを引き取らないようにトリックをコントロールするタイプ。トリック中、最後から2番目のプレイヤーに、そのトリックの決定権が残されるような仕掛けが印象に残った作品でした。

ゲームが始まると各プレイヤーに、トリック獲得時にマイナスになってしまう数字が設定される。3人プレイ時は、余りのカードで山札が作られる。その山札からは、トリックの勝敗に関わらないが、そのトリックに影響するカードが1枚捲られる。

いくつか例外処理はあるがベースは、マストフォロー、切り札ありのトリテ。ゲーム中、相手がマイナスになるカードは押し付けつつ、自分のマイナスはなるべく回避するようプレイしていく。毎トリック、山札から捲られる1枚が、そのトリックの方向性のガイド、誰に押し付けやすいトリックなのか、自分が許容可能なトリックなのかを考える指針のように機能して遊びやすい。

しかし、そこはマストフォロー。そこまで都合良くいかない。どうしてもマイナスを引き取らされる状況もある。マイナスの引き取りに関して、マイナスとなる数字の全スートを集められれば、そのマイナスを0にできる仕掛けもある。狙えるのであれば、いっそマイナスを一手に集めてしまうのも手である。となると、カウンティングがより意識させられる。カウンティングを怠れば、スートを集めきれず泣きを見てしまう。

またこのゲーム、トリック開始時に山札から捲られる1枚と合わせて、トリック中に3つ目のスートが出てくると、その時点でトリックの勝敗が決定されるようになっています。場面によっては最後手番のプレイヤーまでプレイが回らず、最後から2番目のプレイヤーにそのトリックの決定権があるのも絶妙でした。途中でトリックが終わることで、プレイヤー間で手札数のズレが生じます。ゲームはプレイヤーの誰かが手札をなくすと終了になりますが、その時に余らせてしまった手札があれば、それはマイナスです。プレイを通じて、マイナスを上手くコントロールできているのかヒリヒリする感覚が楽しめました。

シュプールノート

トリテのエッセンスが組み込まれたプレイングが悩ましい推理ゲーム

誰も見ていない1羽のペンギンを見つけ出す推理ゲーム。推理の手段にトリテの仕組みが盛り込まれてて、カードプレイングにとても悩む作品。

今回は4人プレイで遊びました。21枚のカードから1枚が除かれ、残りのカードは各プレイヤーに均等に分配される。この除かれた1枚を当てることがゲームの目的。カードプレイは、マストフォローのトリテのように挙動するが、そこから得られる情報でプレイヤーは推理を行う。

ゲームが始まれば、親のプレイヤーと子のプレイヤーに分かれる。親のプレイヤーは、リードとなるカードを表向きで1枚プレイする。子のプレイヤー達は、マストフォローに従って裏向きで1枚プレイする。親は子がプレイしたカードを確認して、マストフォローできているか及び数字の大小に従って順位をつける。子は他のプレイヤーのカードを知ることができないが、親がつけた順位からそのカードをまず推理するのだ。この工程を各プレイヤーそれぞれが親を1回行うまで繰り返す。そしたら、回答パートに移る。

このゲーム、何も考えないで闇雲にカードを出していたのでは、答えを絞りきれない。特定のカードを出した時に、返ってくる情報から周りのプレイヤーのカードが絞れるようなプレイングを考えなくてはいけない。確かにこの時、トリックテイキングの要領で頭を動かしている感じがする。また、これは皆んなで協力して答えを導くゲームではない。ゲームの挙動に慣れてくると、相手の推理を誤認させるようなプレイングもしたくなる。

この作品を遊んでみて、トリックテイキングでこんな楽しみ方があるんだとプチ感激しました。カードの構成とトリック回数のバランスが丁度良いのかな。推理の部分が、もうちょっとトリテのプレイングを改善できれば答えを絞りきれそう、というくらいの難易度に調整されている気がします。次こそは、次こそはと遊んでみたくなる作品でした。

FRAMLET!

ブロックを敷き詰めるのではない、空白を如何に生み出すのか

フリップ&ライトの紙ペンゲーム。提示されたお題の達成を目指して、シートにブロックを記入してハイスコアを競う作品。ブロックを綺麗に敷き詰めるのではない、如何に空白を作れるのかに頭を悩ませるのが新体験でした。

何かしら得点要素が示されて、それに沿ってブロックを書き込んでいくものだと、カートグラファーなどが思い浮かびます。この手のゲームは、シートに綺麗に敷き詰めてブロックを如何に書き込めるかに頭を悩まします。この作品は、空白を作ってそれを活かすことがキモにされています。シートにブロックを書き込むという慣れ親しんだ行為を繰り返すのに、どう書き込むかの点でこれまで考えてこなかった発想が必要でした。

ゲーム中、中央の場には常に3種のブロックが提示され、その形のブロックを都度シートに書き込んでいきます。また、場には一定枚数のフレームというお題カードが提示されており、その形の “空きマス” を手元のシートに作れると勝利点が得られるようになっています。

ブロックの記入は、テトリスなどの落ちものゲームのイメージで、常にブロックが底辺に設置しているように書き込まなくてはいけない。ですので、下から上に向かって立体的なブロックの積み方を考えさせられます。またブロックカードの構成を考慮して、次にどのブロックが書き込めそうなのか予想して、一手一手、書き込み方を悩んじゃいます。

この作品、ゲーム終了フラグの設定が秀逸に感じました。空きマスを含めてシートが全部埋められたプレイヤーが現れると終了フラグが切られます。このフラグを切るまでの手番数が、空きマスをどのくらい効率的に生み出せたかによって、プレイヤー間で変わってきます。空きマスがテンポよく作れていくと、シートがあっという間に埋まっていきます。空きマスを作ってシートを埋める、何か不思議な感じもしますね。

初めて遊んだ時、序盤は空きマスがあることに気持ち悪い感じがして、埋められていないことにモヤモヤしました。しかし、ゲームの要領が掴めてくると、空間を活かすことで勝利点が増えていく快感を感じ始めます。シートの限られたマスの中に如何にブロックを敷き詰めるかではない、空間を作っていくことで如何に少ない手番でシートを埋め切るのか、この感触が自分には新鮮で堪りませんでした。

タカ | ボードゲームブロガー

✔︎ 良いゲーム体験をさせてくれたもの、きらりと光る魅力があるもの、プレイログとして発信したいと思います。
✔︎ 初めてのボードゲームを知っていただくキッカケや過去のプレイ体験を思い出すキッカケになれますように。

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