火星の地球化をテーマにした名作ボードゲームのカード版である”テラフォーミング・マーズ カードゲーム”。元ゲームからさらにカードプレイに焦点が当てられ、同時解決処理により素早いゲーム展開が楽しめるボードゲームです。
本ゲームでもプレイヤーは企業のCEOになって資源を投じて種々のプロジェクトを実行していきます。火星に海を引き、植林して酸素を生み出し、気温を上げることで地球化を進めていきます。火星の地球化に最も貢献できたプレイヤーが勝者となります。
カード版である本作に特徴的なのは、同時アクション選択と解決処理です。ラウンドでは各プレイヤーが選択したフェイズのみ処理され、また各フェイズの処理は全員同時に行います。元のゲームとは異なり、他プレイヤーを攻撃する要素はなく、ボード上でのインタラクションもほとんどありません。そのため、手札と相談しながら手元の構築にしっかりと集中することができます。
カードプレイに集中して、様々なコンボを探しながら火星開発に取り組める “テラフォーミング・マーズ カードゲーム” のプレイログをまとめてみました。

ゲーム概要
👥プレイ可能人数:1~4人 🕐プレイ時間:60分
ゲームの目的
カードプレイによって様々なプロジェクトを実行して、人が住める星になるように火星開発を進めることが目的です。火星の地球化を進めることで得られる勝利点(VP)を、一番多く集めたプレイヤーがゲームの勝者になります。
ゲームの主な要素
グローバルパラメータ
火星の開発進捗度は3つの指標(①海洋面積率、②気温、③温度)で表されます。ゲーム中、プロジェクトカードのプレイやアクションの実行により、これらの指標を増やしていきます。またこれらの指標のいずれかを1段階上昇させると、地球化指数(TR値)が1増加します。このTR値が、ゲーム勝者を決めるVPの基礎点となるため、各プレイヤーは先んじてこのTR値を取り合います。

元のゲームと比べてこのカード版では、火星ボードは簡略化されています。森林タイルや都市タイルをボード上に置いてマジョリティを競うようなインタラクションは、本作品では削除されています。森林タイルがなくなった代わりに緑地化アクションで、酸素パラメータ1上昇に加えてゲーム終了時1VPとなる森林トークンが入手できます。
プロジェクトカード
ゲーム中、特定のフェイズでメガクレジット(MC)を支払うことでプロジェクトカードをプレイすることができます。カードは3種類(緑色カード、青色カード、赤色カード)に分けられます。プロジェクトカードによってはMCの支払い以外にもプレイ条件が設定されているものもあります。またゲーム中はいつでも、プロジェクトカードを捨て札にすることができ、1枚につき3MC獲得できます。
緑色カードは、後述する産出フェイズで獲得できる資源を増やしてくれます。
青色カードは、常時機能してくれる恒常能力や実行フェイズ中に実施できるアクションの種類を増やしてくれます。
赤色カードは、プレイした時に即時効果を発揮します。元ゲームとは異なり、今回はプレイ後も表向きで手元に並び、別カードにタグ参照されます。

ゲーム開始時にプロジェクトカードは8枚配られます。内容を確認して望むのであれば1度だけ、任意の枚数を捨てて同じ枚数を山札から引き直すことができます。このゲームでは序盤の立ち上がりがゲーム終了まで影響するため、プレイの軸になってくれるようなカードを引き込みたいです。
企業カード
各プレイヤーがCEOとなって運営する企業です。企業毎に初期資金や、資源産出力、ゲーム中の固有能力などが設定されています。
ゲーム開始時に各プレイヤーに2枚ずつ配り1枚を選択してもらいます。元ゲームのテラフォーミング・マーズ含めて遊び慣れているのであれば、3枚〜4枚くらいから1枚の選択にしても良いと思います。
企業カードの個性は、プレイ指針になってくれます。ゲーム準備時に配られたプロジェクトカードと合わせて、構築を考えるのがこのゲームの醍醐味の一つです。

フェイズカード
ゲームは、複数のラウンドを繰り返すことで進行していき、1ラウンドは下記5つのフェイズで構成され順番に処理されます。しかし、1ラウンドで全てのフェイズが処理される訳ではありません。
〜フェイズ一覧〜
Ⅰ.開発フェイズ
各プレイヤーは、コストを消費して緑色カードを1枚プレイすることができます。
Ⅱ.建設フェイズ
各プレイヤーは、コストを消費して青色か赤色カードを1枚プレイすることができます。
Ⅲ.実行フェイズ
各プレイヤーは、各青色カードのアクションを1回ずつ実行できます。また標準アクションを好きなだけ実行できます。
Ⅳ.産出フェイズ
各プレイヤーは、自身の産出量と同じだけの資源をそれぞれ獲得します。
Ⅴ.研究フェイズ
各プレイヤーは、山札から2枚プロジェクトカードを引き、1枚を手札に加えて、もう1枚を捨て札にします。

同時フェイズ選択
各プレイヤーには共通するフェイズカードが配られており、各ラウンドの開始時に1枚選択します。全員が選択し終えたら一斉にオープンにします。ラウンドでは、プレイヤーに選択されたフェイズのみ処理されます。またプレイヤーには自分が選択したフェイズの処理では、主導特権という形でボーナスが付与されます。各フェイズの主導特権は以下になります。
〜主導特権一覧〜
Ⅰ.開発フェイズ
このフェイズを選択したプレイヤーは、3MC軽減して緑色カードをプレイできます。
Ⅱ.建設フェイズ
このフェイズを選択したプレイヤーは、①カードをプレイする直前もしくは直後に山札を1枚引いて手札に加えるか、②青色もしくは赤色カードをさらに1枚プレイできます。
Ⅲ.実行フェイズ
このフェイズを選択したプレイヤーは、1枚だけ、同じ青色カードのアクションをもう一度、実行することができます。
Ⅳ.産出フェイズ
このフェイズを選択したプレイヤーは、通常の産出に加えて追加の4MCを獲得します。
Ⅴ.研究フェイズ
このフェイズを選択したプレイヤーは、5枚引いて2枚を手札に加えて、残りの3枚を捨て札にします。

同時アクション処理
カード版の特徴として、元ゲームにあったような他プレイヤーを攻撃・干渉する要素はありません。各フェイズの処理は全プレイヤーが同時に行うことができるため、ゲームの進行が早いです。手元に集中してカードコンボを模索して構築しやすくなっている一方で、他プレイヤーとのインタラクションは薄まっています。ここは好みが分かれてくるポイントだと思います。

ゲームの終了
ゲーム中、3種のグローバル・パラメータが全て上限に達したら、そのフェイズでゲームが終了します。その後、最終得点の集計を行い、最も多くのVPを稼いだプレイヤーがゲームの勝者となります。
最終得点は、下記の3要素から加算されていきます。VPが同点のプレイヤーが複数いた場合には、MC、発熱、植物の資源合計数が最も多かったプレイヤーが勝者となります。
- TR値の数だけVP
- 森林トークンからもたらされるVP
- プロジェクトカードからもたらされるVP
プレイログ
久しぶりにアレスエクスペディションのテラフォも遊びたくなり、友人に付き合ってもらい2人対戦。最初のプロジェクトカード8枚はマリガンもしつつ、”核融合発電”が目に留まる。電力タグ2個をプレイ条件に、カードの生産力を1上げてくれる。電力タグで序盤を上手く回せそうなので、企業は”トールゲート”を選択。

説明書に記載はないのだが、ハウスルールとして2人対戦時には、ダミーのフェイズカードを加えている。これで1ラウンドで処理されるフェイズを増やしてゲームが進行しやすくしている。

序盤は順当に生産力を上げることを意識。企業効果で電力タグのカードのプレイ負担を軽減、ある程度は満遍なく生産力を上げられた。アレスは本家と異なり、プロジェクトカードの確保が研究フェイズか、プロジェクトカードの生産力に依存する。それなりに準備をしないと手詰まり気味になるのは経験済みなので、序盤に生産力を1確保できたのは少し安心。

グローバルパラメータを上げる手段として、”インフラの発達”をプレイ。資金算出にやや余裕を持てていたので、変に余るクレジットは、温度のパラメータ上げに使ってしまい、TR値上昇による資金収入増を狙う。さらに酸素のパラメータ上げ用に”藍色細菌”が手札に来てくれていた。”地熱トラップ”で微生物というエサを与えて、このカードも回していきたい。

中盤戦に差し掛かる頃の火星ボードの様子。温度のパラメータ上げに有利を取れていたこともあって、TR値も先行していた。このリードを守れるかが大事だ。友人は大きくは動いていないものの、プロジェクトカードのコストを恒常的に下げるものやチタンなどの生産力を上げていたりと、着実に何かの準備を進めているようであった。

緑カードのプレイ機会が多く、資金算出がかなり増えてきていた。一方で、青・赤カードで良いものが中々手札に加えることができず、どう構築を進めたものか悩んでしまう。こうなれば、潤沢な資金を活かして標準プロジェクトでグローバルパラメータを上げるのみ。

気づけばゲームの終わりが見てきている終盤戦になっていた。パラメータ上げはできているはずなのにTR値の差は縮められている。友人の選んだ企業は、木星タグのプロジェクトカードのプレイ時に1TR値が上がる”サターン・システムズ”。木星タグカードを着実にプレイし、さらにプレイした木星タグの数だけTR値を増やす赤カードの”テラフォーミング・ガニメデ”でしっかりと差を縮めてきた。

温度のパラメータが上限に差し掛かり、発熱資源を持て余しそうになる頃に有効活用の道が見えた。青カードの”製鋼所”、6発熱で酸素パラメータを1上げられる。友人に取られてしまう前に、なるべく酸素パラメータも上げ切ってしまいたい。

パラメータは自分が上げられている。勝利に向けて懸念を拭えていないのは、カード勝利点の差。体感的に自分はほとんどカード勝利点に期待できないが、友人は結構稼いでいる様子。

3種のグローバルパラメータが上限となってゲーム終了。最後に残っていた酸素パラメータについて、なんだかんだ友人も手をつけて、あまり差はつけられなかった。森林トークンやカード勝利点も集計して、最終のスコアは44 VS 50で負けてしまった。友人の後半の爆発力に対して逃げきれなかったか。

