当ブログの “ニュースレター” では主に、遊んだボードゲームについてほんの少し深掘りを試みながら、そのゲームの体験内容を発信していきます。
Switchのアソビ大全で “ヨット”を初めて知った時、ただダイスを振るだけでゲームになるのかな、と思っていました。しかし、遊んでみると “ヨット” には取捨選択があり、勝つために戦略が必要な面白いゲームでした。やっていることはダイスを振っているだけ、だけどゲームを作る人の知恵と工夫で、そこに確かなゲーム性を持たせることができるんだ、と1人感動してしまいました。
今回このVol.2では、数個のダイスを使った「サクっとひと勝負できる軽量ダイスゲーム」を4つ取り上げて、紹介させていただきます。この記事を読んで、もしこれらの作品に触れる機会があれば、皆さんも手にしてみてください。
ダイビィ!
ダイスのカテゴリーゲームを楽しむならこれ。特殊タイルで勝負所がより熱く。
5つのダイスで役を作って得点を集める。6手番で終わるので短時間でサクッと楽しむことができる。振り直しは2回まですることができ、ゲーム中に一度だけ使用できる特殊アクションを使って、ここぞの勝負が仕掛けられるのが熱い。

どの役を作れば何点になるかが6枚のカードに示されている。振り直しは2回まで許容されているが、1投目で役が成立するとボーナス点がもらえる。ロールを終えた後に、役ができれば該当するカードから点数が得られるが、いずれの役もできなければ、役を一つ潰さなくてはいけない。

役は成立させやすいものから、そうでないものまである。振り直しをする際は、より高い点数の役の成立を目指しつつ、逃げ道を残せるように考える。1投目でフルハウスが狙えそうな” 2、3 “の出目がいくつか出てきたので、スモールダイブ(1, 2, 3のゾロ目で加点)を逃げ道にしつつ、強気に振り直していく。

手番を終える度に、役が成立してもしなくても得点源は減っていく。着実に点数を刻みつつ逃げ切るのもありだし、大当たりの役を残して一発逆転に賭けるのも面白い。何もドラマが起きない時ももちろんあるが、プレイ感は非常に軽くヒリヒリするタイミングもあるので、ダイスゲームを遊びたくなったら気軽に取り出せる。

ゲーム中の特殊なアクションもスパイスになっている。振り直しを1回追加したり、ダイス1個の出目を反転させたり、勝負所で役を成立させやすくする仕掛けも遊びやすさに繋がっていると感じる。勝つために1番難しい役、ダイビィ(5つのダイスの出目を揃える)を成立させるしか逆転ができない時、特殊アクションを重ねて勝利を掴みにいくのが熱いのだ。

カテゴリーゲームと言われるダイスゲームの楽しみ方を気軽に味わえる作品、” ダイビィ” でした。
トュット
追い上げたいときほど、振り直しが熱くなる。
6つのダイスを使って運試し勝負。役を成立させて得点を集めつつ6000点先取を目指す。ダイスの振り直しができるが、欲を出しすぎるとバーストしてしまう。手番時にめくるカードが勝負にちょっとした変化を加えてくれて、手に汗握る勝負が楽しめる作品。

6つのダイスを振って、1個のダイスか3個のダイスで役を作る。1個のダイスであれば、出目が1もしくは5で役になって加点。3個のダイスでは、ゾロ目を作れば役が成立して加点できる。振り直しは、振り直して1つ以上の役が成立すればセーフ。しかし、振り直して役として成立するダイスがなければバースト、その手番の点数が0点となってしまう。

6つのダイス全てに役が成立すると、”トュット(総取り)”となり、さらに加点できるチャンスが得られる。手番ごとに捲るカードの多くは、”トュット(総取り)”時のボーナス点を示している。

このカードは”トュット(総取り)”時のボーナス点ばかりではない。チャレンジ目標が設定される時もある。下の画像では、6個のダイスでストレートが指定された時の様子だ。これはオールオアナッシングで、成功すれば2000点だが失敗すれば0点で手番を終えることになる。他にも、バーストしても加点できるカードや強制的に手番が終了するカード、”トュット(総取り)”できればトッププレイヤーから1000点を奪えるカードがあったりと、プレイが単調にならない仕組みがある。

このゲーム、熱くなるのはやはり追い上げる時である。点数をリードしているときは”トュット(総取り)”を狙わずに着実な加点を狙う。逆に負けている時は、積極的に”トュット(総取り)”を狙わなくてはいけない。”トュット(総取り)”は成立するとボーナス点を含めて、一気に点差を縮めてくれる。バーストのリスクを乗り越えて”トュット(総取り)”して、点差をまくった時が快感なのだ。

バーストしてしまうか、しないで成功を掴むかヒリヒリしたダイスロールが楽しめる作品、”トュット”でした。
PENK!
相手のマークの仕方に注意して、自分の得点を確保。
6つのダイスを振ってシートに3箇所までマーク。縦横それぞれ3マスマークできると加点。誰かが1列全てマークしてしまうと、他プレイヤーがその列がマークできなくなる。相手と狙いがかち合った時に、攻めるか引くかが悩みどころな作品。

1~5の出目とワイルドシンボルの6面ダイスを6個使う。振り直しは2回まで許容されている。シートは “1~5の出目 x マークに必要なダイス数” の25マスで構成される。マスの中に印字された数字が、そのマスを埋めた時に得られる点数を示している。但し、縦か横のラインで3マス以上、マークしていないと点数にならない。

6個のダイスをロールして下記の状況だと、”1の出目ダイス5個” と “2の出目ダイス1個”の2箇所をマークすることになる。ゲームが進む毎にマークできるマスは減っていき、振り直しでどの出目の組み合わせを狙うのか悩むことになる。後述する “1列/1行の完成” と “ダイスロールの失敗” により、どのマスのマークを優先して狙うのか常に考えさせられる。

“1列/1行の完成”は、誰かが縦か横のラインを全てマークした時に発生する。この時、完成させたプレイヤー以外のプレイヤーは全員、そのラインの空きマスに×を入れなくてはいけない。”ダイスロールの失敗”は、ダイスを振った後に1マスもチェックできなかった場合に発生する。そのプレイヤーは、完成していないラインを選んで×を入れなくてはいけない。勿論、×を入れたマスはマークできず点数を得ることはできない。

このように、誰かがラインを完成させたり、自分が下手打ってしまった時にゲームは収束に向かっていく。点数は3マス以上埋めているラインからでなければ得ることができない。他プレイヤーの記入を観察して狙いを読んで、そのラインを競合するのか避けるのかも考えつつ、ダイスロールに臨むことになる。プレイヤー間の先取りのインタラクションで、熱いダイスロールを体験させてくれるのが醍醐味。

軽いプレイ感の中にプレイヤー間インタラクションが効いたダイスゲーム、”PENK!”でした。
ゴーエッグ!
卵を上手に調理して高得点を目指す、小さい缶に収まったダイスゲーム。
9つのダイスを振って、出目の組み合わせで得点をゲット。腐った卵の出目は得点源を潰してしまう。どこまで振り直すか、シンプルなジレンマが悩ましく楽しい。腐った卵の振り直しに他プレイヤーの手を借りるのが一喜一憂に盛り上がる作品。

専用の出目が描かれた6面ダイスを9つ使う。得点源は、目玉焼き(フライパンと割れた卵のペア)、ゆで卵(鍋1つと複数の卵)、チキン(特殊な得点)の3種類。振り直しは2回まで可能だが、腐った卵の出目は振り直しができず、残しておかなくてはいけない。

プレイヤー間で手番を回しながら、誰かが100点に到達すればゲーム終了フラグが切られ、手番数を揃えた後に最高点のプレイヤーが勝利。一手番で20点くらい取れることもあるので、ゲームはサクサクと進んでいく。後述するが、他プレイヤーの手番にもやることがあったりするので、待ち時間もあんまり退屈しない。

腐った卵の出目が出ると、1個につき1つ得点源を潰さなくてはいけない。腐った卵は自分がロールを終えた後に、特別な振り直しが1回行われる。自分が出してしまった腐った卵は、右隣のプレイヤーが振り直してくれる。この結果、自分の得点源に加えられるものがあれば点数が大きくなる。しかし、これでも腐った卵が出てきた場合には、観念して腐った卵の数だけ、得点源を潰さなくてはいけない。

この自分の不運のリカバーを他プレイヤーに委ねるのが、”ゴーエッグ!”の好きなところ。下の写真のような状況でも、他の人に救ってもらえる可能性があるのだ。頼む頼む〜とお願いしつつ、お願いされる方はできる限り腐った卵を出して、相手の得点を潰したい。ここに愉快なコミュニケーションが生まれて面白い。

他プレイヤーにダイス運を委ねて盛り上がるダイスゲームの作品、”ゴーエッグ!”でした。
